たまに上級医の先生と共に日直や当直をします。症状は患者さんによりさまざま。
熱が出た、頭が痛い、めまいがする、おなかが痛い、等々。
救急車で搬送されて来院する患者さんもいますが、ウォークインと言って、自家用車で直接来院する患者さんも意外と多いです。

日直=午前8時半から午後4時半までの土曜・日曜・祝日=休日の日勤
当直=午後4時半から午前8時半までの全ての曜日=夜勤
*当院の場合です。病院によって異なります。

こういった、休日や夜間の外来は、臨床研修医がいる病院であれば、どこの病院でも最初は研修医が対応することが多いです(そうではないこともありますが)。
研修医とはいえ医師に違いありませんし、こういう機会を通して医師としての臨床力を高めていきますから、研修医の初期対応にご理解いただきたいと思います。
もちろん、バックには上級医が控えていて、研修医の診療をチェックしておりますが。

臨床現場に出て早速初期対応するとなると、まだまだ解らないことも多いですが、他院へ行った同級生たちと話をすると、みんな手探りで頑張っているのが実情のようです。

平日昼間では、経験年数を積んだ、その分野の医師(例えば、内科なら内科医、泌尿器科なら泌尿器科医)が担当します。いわば、専門外来。
一方で、休日や夜間の外来は、ファーストタッチが研修医、バックの上級医もその分野の医師とは限りません。例えば、患者さんの疾患が内科的疾患であっても、上級医が整形外科の先生であるとか、専門外であることも多いのです(特に小さな病院の場合)。

なので、休日や夜間の外来では、その分野の専門の医師の診察を期待するのは、たまたまその時に専門の医師が居合わせなければ無理。基本的に難しいと思った方がいいと思います(病院の体制にもよりますが)。
小児科とか産婦人科でしたら、特に、いつ、どこの病院で診療を受けることが可能なのか、日頃から把握しておいた方がいいと思います。

緊急を要する重大疾患であれば、緊急疾患を診る条件が整っている病院に搬送されることになります。例えば、大動脈解離のスタンフォードA型という疾患であれば、夜間でも心臓外科医がいる病院に搬送されることになります。
医療者側から見て、休日や夜間の救急外来における最も大切なスタンスは、緊急疾患かそうでないかを鑑別することです。

比較的よくある疾患(いわゆる風邪とか)であれば、何科の医師でも、専門外でも、一応の対応はできるはずです。
しかし、中には、かなり軽症でも、休日夜間の救急外来を利用される方も多くいます。もちろん、痛みを和らげて欲しいとか、止むを得ない面もあるかと思いますが。

休日夜間の救急外来は、あくまでも救急外来です。次回の平日の専門医の外来につなげれば、救急外来の役目を一応は果たしたものと考えられています(だから、研修医でも勤まる、ということなんです)。
重大疾患でない限り、どうしても対症療法的になります。

頭痛の原因を徹底的に調べて欲しい、と言われる人がたまにいますが、それは昼間の専門外来にかかってくださいと言いたいところです。そこのところはソフトに言いますが。
実際、「症状が改善しなければ、明日、専門外来にかかってください」と言いますし、それで痛み止めを処方するぐらいです。

休日夜間の救急外来は、昼間の専門外来の休日夜間バージョンではありません。利用される方は、そこをご理解いただきたいですね。

「会社に行く前に診て欲しい」というのは、正直言って止めていただきたいです。それは、営業時間前のレストランに、腹が減ったから今から店を開けてくれと言うようなものです。

こないだ、「歩き過ぎて足が痛い」 なんて言っていた人もいました (おいおい、それはないでしょう!)。
「昼間は仕事で忙しいから夜来た」
「他院でもらっている安定剤が切れたから来た」
…と言われる人もいます。しかし、それは救急外来の間違った利用法です。絶対に間違ってます。
勘弁してくれよ~。

前回、救急外来を受診していて、その時に内科を再診してくださいと言っておいたのに再診せず、痛くなったからとまた救急外来に来ていた人もいましたが、これは正直言って頭に来ますね。
こういう人を見ると、夜中に来るな!と心の中で叫んでいます。

何週間か前の日直では、ものすごい大勢の患者さんたちが待合室で待っていました。ごった返していて、まるで野戦病院!
食事をする暇もなく、ヘロヘロになりますね。
正直言って、来る人、もっと減って欲しいです。
年末年始はもっとすごいことになると聞きました。

たまにドリンク剤を飲んで踏ん張っています。
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ところで、「24時間戦えますか?」というフレーズ、ご存じですか?
バブル時代のドリンク剤のCMソングのフレーズです。1989年の流行語にもなりました。
「24時間戦えますか?」でググると出てきます。こんなの、今じゃあブラックですわ。

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ところで、うちの病院では日当直が合わせて月に4~5回ぐらいあります。

その日の当直は何とか乗り切っても、ある程度は疲れが残ります。そして、やっと疲れが取れたかと思う頃に、また次の当直がやってきます。均等に散りばめられているならともかく、他の研修医とのスケジュール的な理由により、夜勤の3日後にまた次の夜勤ということもあり、1週間に3回集中することもあります。これは、正直言ってつらいです。
特に、当直(つまり夜勤)は、わたしみたいなトシを喰っている者にとって、結構辛いものがあります。

若い人に聞いても、夜勤はそんなに楽なものでもないようで、それなりにしんどいみたいです。
多い病院では、日当直が月に8回もあるようです。

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